【完】短編集~幼馴染み~
彗は髪をかき上げながら、言った。

「好きなんだよ…。俺、鈴が好きなんだ。
だから…んなこと、言うな」

今…彗、なんて言った?
鈴を…好き?

イケメンで、運動神経抜群で、みんなに人気者の彗が?

こんな…地味で、内気で、勉強しか、とりえのない鈴を…?

鈴の瞳から、涙が溢れる。

「え、鈴っ!?…俺の気持ち、迷惑だったか?」
「ち、違くて!う、嬉しいの…。
だって、鈴も…鈴も、彗が好きだから…!!」

顔、熱い…。

恥ずかしい…。

だけど、目を逸らしたくない。

ちゃんと、伝えたいの。


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