【完】短編集~幼馴染み~
俺は走って家の方へ走っていった。
そして、途中千秋をみかけた。
まだこんなとこにいるってことはどこか寄り道をしていたのか?
まぁ今、そんなことどうだっていい。

「千秋っっ」
「なに、大きな声だして」

もう、限界だった。
俺の好きになった子全て、奪っていく。
こいつが、嫌だった。

悪びれもせず、なにも知らず、奪っていく。
いや、もしかしたら…わざとなのかもしれない。

「お前は、なんでそんな男みたいな格好ばっかりすんだ」
「なに、いきなり」
「お前のせいで、神埼さん、お前のこと好きになったじゃねぇかっ」
「なんで、あたしのせいなの」
「お前が、男のフリすっから」
「それは哲が頼んだんじゃん」

なにも言えなかった。
……事実だから。

だけど、抑えきれなかった。


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