【完】短編集~幼馴染み~
「今日だけじゃねぇ!!俺の好きになった子全員、お前に会った瞬間お前を好きになる!!
なんなんだよ、ホント。俺に嫌がらせでもしてぇのか!!??」

「は?」

「俺は、お前が女子にモテると惨めになる。お前……。
お前、もっと女みたいな格好しろよっ!!!」

そう言った俺。
いつもみたいに、あしらうと思ってた。
だけど……

「なんで……哲がそんなこと言うの……」

千秋は、涙を流した。
「ち、あき……?」

「哲が言ったことじゃん、全部!!この格好だって…っ!!
……哲のバカッッ」

千秋は泣きながら、走っていった。

俺は、追いかけることも、言い返すことも、なにもできなかった。

なぜなら、


千秋の涙をみたのは、初めてだったから。


< 358 / 587 >

この作品をシェア

pagetop