【完】短編集~幼馴染み~
そして俺は千秋の格好をみて、驚く。
千秋は、白いふわっとしたワンピースを着ていた。
そう…それは“女の子”な服だった。

「千秋…それ…」
「あ…ごめ…。ママが、着てみなさいって…。いとこのお姉ちゃんが時々持って来てくれて…。ごめん…哲…」
「は?」
千秋の目には、涙が浮かんでいて。

「っ、ごめん!!!」

そう言うと、千秋は走って家を出ていってしまった。

俺も追いかけようとするが…
「か、鍵…」

鍵閉めないと、ヤバい。
俺は辺りを見渡し、下駄箱の上に置いてあった鍵を発見した。
鍵をかけ、千秋を探し、走り出す。

きっと、アイツはあの言葉で泣いている…。

『俺の傍にいたかったら、男みたいな格好しかするなっ!!』

「千秋…っ!!」

ホントは俺、あんなこと言いたかったんじゃねぇんだ…!

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