【完】短編集~幼馴染み~
「いつもみたいに…言えばいいだろ!?」
「言ったよ…。柔道やってるから強い。痛い目見たくなかったらどっか行ってって」

俯いていた顔を上げた千秋。

「けど、“そんな嘘言わなくていいよ”って…」

あぁ、そうだ。
今の千秋の格好じゃ…そんなの、通用するわけねぇんだ…。

「ごめんね、哲。こんな格好…して」

千秋は立ち上がった。

「もう、哲の傍にはいられないね…。バイバイ…」

去ろうとした千秋の腕を掴み、引き寄せた。

「勝手に離れようとしてんじゃねぇぞ…バカ」

「なっ!!なに言ってんの、哲…っ」

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