【完】短編集~幼馴染み~
「俺が好きになった子たちは…昔の千秋に似ていた」
「え…?」
「俺は無意識に、千秋の影を追っていたんだ」

そう、あの真っ赤なドレスを来ていた、千秋みたいな子たちを好きになっていた。
いや、“気”がしていただけなのかもしれない。

「こんなやつ、好きじゃねぇかもしんねぇけど…」
情けなく笑うと、千秋は俺の胸を叩いてきた。

「バカ、バカ…!!」
「千秋…?」
「あたしがなんで、ずっと男の子みたいな格好してきたと思ってんの!?
哲の傍にいたかったからだよ…!いい加減、気づいてよ…!
哲が、好きなんだよ…!!」

「っ!」

あぁ、ホント俺ってバカだ。

ずっと、傍に…こんなにも俺を想ってくれる子が、いたのに。

俺は千秋を抱きしめた。


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