【完】短編集~幼馴染み~

手紙

さきほどから、

サクッ、サクッ、と穴を掘る音がむなしく響く。

「確かに、この辺に埋めたはずなのになぁ~」

そう呟いた時、

ザッ、と音がした。
後ろに…誰かいる?

『最近この辺りで変質者が出てんだぞ?』

朝の敦志の言葉が、脳裏に浮かぶ。

まさか…ね。
あたしみたいなのに近寄る人なんて、いないって。

――なんて思っても、内心びくびくしている。

背中に、嫌な汗がタラリ、流れる。

そして、グイッと肩を後ろに引かれた。

「キャッ」

そこにいたのは――……

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