【完】短編集~幼馴染み~
「ハァ…ハァ…っ…」

息を乱した…

「やっぱ…っ、ここにいたか…ハァ…ハァ」

敦志が、いた。

「あつ、し。な…んで」
「まだ、諦めてなかったのかよ…お前」
「諦めれないよ」

諦めれるはず、ないじゃん。
あの中には、あたしの想いが詰まってるんだから。

「帰るぞ」
そう言って、あたしの腕を掴む。
「帰らない!1人で帰ればいいでしょ!!??」
「杏子!!」
「なんで!?なんで敦志は掘り起こそうと思わないの!?
掘り起こすななんて、言うの!!??あたしたちの、大事な思い出の1つでしょ??」
「それ、は…」
「とにかく。あたしは掘るから」

そう言って、敦志の腕を強く振り払い、再び掘りはじめる。

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