【完】短編集~幼馴染み~
「芽久、可愛すぎ。や、可愛いより…綺麗、があってるかな」
「ちょ、恥ずかしいよ…///蒼ちゃんも、タキシード、似合ってる」
「サンキュ」
今日は雲も少ない、まさに結婚式日和!
こんな天気の日に結婚できて、嬉しいな。
「ねぇ、蒼ちゃん。せっかくのウエディングドレスなのに…傷、見えちゃってるね…」
“あの日”の傷は、やはり消えることはなく、あたしの体に残っている。
「バカ芽久。いつまでそのこと言ってんだよ。んで、何度言わせる気だ?
俺は、傷も含め、芽久が好きだよ」
「っ、蒼ちゃんのバカァ…!」
「はぁ!!??」
「式の前に泣かせないでよぉ…!メイク落ちちゃうじゃん…っ」
「たっく…。芽久って、案外泣き虫なんだよな」
そう言いながら、蒼ちゃんはあたしの涙を優しく拭い、目元にキスを落とす。
「お前の涙は、俺が全部拭うから」
「…うん…」
そして、唇へキスをしようとする蒼ちゃんを…
「ちょ、待ってっ」
あたしは制した。