【完】短編集~幼馴染み~
「どうしたんだよ」

ムスッ、とむくれる蒼ちゃん。

「き、キス、は…式までお預け!!」

そう言うと、蒼ちゃんは目を見開いた。

「ハハっ!あー、そうだな。んじゃ、楽しみにしてる」
「そんな笑わなくたって…」

そう言っているうちに、式の時間が迫ってきたので式場へ戻った。


―――………

「それでは、誓いのキスを」

ゆっくりと近づく蒼ちゃんの顔。

そして、ゆっくりと唇が触れた。


特別な。

とても、特別なキス。


嬉しくて、嬉しくて。


涙が一筋、流れた。


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