【完】短編集~幼馴染み~
その後みんなも登校し、無事朝のHRも終わった。

ガラッと開いた教室のドア。
「莉那―」
「っ、隆也!どうしたの?」
隆也が教室に入ってきた。
「これ、弁当。さっきおばさん来て渡された」
「うゎ!ありがとう」
「相変わらずドジ」
「う、うるさいなぁ//」
「あ、あとさ。国語の教科書貸して」
「自分だってドジじゃんか!ちょっと待ってて」


「はい、教科書!あ、落書きしないでよ〜?」
「わぁってるよ。じゃ、サンキューな」
「ん」
そう言って隆也は教室を出ていった。

「なーに顔赤くしてんの?」
そう言ってきたのは中学から仲のいい陽智<ヒサト>。
「あ、赤くなんか…っ//」
「じゃぁせめて、そのニヤけ顔、なおせば?」
「ぅ、うるさいっ//」
てか、あたしそんなにニヤけてたの!?
「ホント、一途だよな」
「…好きだもん」
「いい加減、想い伝えれば?」
「怖い、から…」
そう言って俯くと陽智はあたしの頭をポンポンとした。
「ま、心の準備ができたら伝えれば?」
「……ん」
陽智はいつも励ましてくれる。

大事な、友達。
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