【完】短編集~幼馴染み~
「俺は…お前を好きって気持ち、消せねぇよ!
…お前を、忘れれるわけねぇだろ…」

未来は俺をギュッと抱き締めた。

「…こんなこと言っちゃ、今言ったことと矛盾しちゃうかもだけど…。
気持ち、消さないで。…あたしを、忘れないで。
ただ…陸のなかの思い出として、残っていたいの」

「思い出?」

「そう。陸にとっての…初恋の相手。だよね?」
「…ったりめぇだろ。未来が俺の初恋だよ」
「だからね?…初恋“だった”にすればいいんだよ」

――過去形にしろ、ってことか…?

「未来は…それでいいのかよ…」
「いいの。あたしは、陸に幸せになってほしい。
ホントは、ずっとあたしが陸の隣にいたかったんだけど…。
あたしは…隣にいれないから。陸を、幸せにできないから」
「……未来……」

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