【完】短編集~幼馴染み~
「未来、変わった」
「そう?」
「…強くなった。
あと、綺麗に…なった」
「フフ、そう?あ…、そろそろ…行かなくちゃ」

そう言った未来の体が、透けていっている。

「…行くのか?」
「うん…」
「…未来、俺…未来の分も、幸せに…強く、生きてみせる」
「うん…。陸なら、きっと幸せになれるよ」
「…俺が未来の元へ行く時がきたら、その時は……
今度こそ、ずっと一緒にいような」
「…うん…っ、…待ってるね…っ……っ…」
「待たせるけど、ごめん。またな、未来…」
「またね、陸…」

キスをした瞬間、


未来は消えていった――……。



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