【完】短編集~幼馴染み~
「あの…。あの…!」

誰かの、声がする…。

俺はゆっくりと目をあけた。

「大丈夫、ですか?」
俺の顔を、1人の女性が覗いていた。

「え?あ、大丈夫です。すいません」
「…泣いてる…」
「え?」

俺は、眠りながらないていたようだ。

「たぶん…大好きな人に…。
大好き、だった人に…久しぶりに会えたからだと思います」

女性は一瞬目を大きく開いたが、
「そうですか」
そう、綺麗に微笑んだ。

「あたしもさっき、会いました。
大好きだった…彼に」

あぁ、もしかして…彼女も、俺と同じなのかもしれない。





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