【完】短編集~幼馴染み~
翼くんはあたしを抱き締めた。

「どうせ美月のことだから、泣いたら俺に迷惑かかる、とか内心思ってたんだろ」
「っ、なんで…っ、ヒック…なんで…分っちゃうかなぁ…っ…」
「美月、前に言ったろ。お見通しだって」

あ…、
『美月はいつも、周りに心配かけないようにって、あんま辛い顔とか見せないけど…。
俺には、それ。通用しねーから』

「フフッ、そんなことも…言ってたね…」
「美月…。離れてても、好きだよ。大好きだ…」
「あたしも…」

あたしたちは、キスをした。

お互い、頬は涙でぬれていた。


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