【完】短編集~幼馴染み~
「うわっ、雨降ってんだけど」
秀人がポツリ、呟いた。
「は?マジかよ」
俺、今日傘ねぇよ…。
帰りまでに、やまねぇかな…。
やむことを祈りつつ、午後の授業を受けた。

ザーザーザー……
俺は今、玄関にいる。
「……はぁ」
やむわけねぇよな。
ため息をついていると、
「お前、傘ねぇの?」
後ろから秀人の声が。
「は?お前傘あんの?」
「前に学校に忘れてったんだよ」
「いれて「けねーよ?」
「は!?途中まで方向一緒だろーが」
「俺、今日合コンだから♪」
くそ……。
「のんちゃんに来てもらえよ」
「アホか、お前。こんなヤローだらけのとこに来させられるかっつーの」
「愛してるねぇ♪」

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