【完】短編集~幼馴染み~
「うっせぇよ。当たり前のこと言ってんな」
「おー、かっくいい♪じゃな、また明日」
「はぁ…。じゃーな。走って帰るか…」

俺は全力疾走し、雨の中を走った。

鞄を頭の上にあげ、走っていると……

「陸斗っ」

俺の、大好きな子の声が聞こえる。

「のん?」

そこには、赤色の折り畳み傘を差したのんがいた。

「あ、とりあえず入りなよ」
そう言って俺を傘の中に入れてくれた。

「傘、持ってなかったんだね?」
「今日太陽出てたから。のんはなんで持ってんの?」
「あたり、毎日折り畳み鞄にいれてるんだぁ」
「ハハっ、さすが」
「エヘヘ。一緒に入ってく?」
「ワリィな」
「気にしないで!陸と一緒に帰れて、嬉しい…な//なんて…」

ホント、こいつは……狙ってこんなこと言ってるようにしか思えない。

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