【完】短編集~幼馴染み~
『ハァ…ハァ…』

息を整える。
校門から出てきた人に、声をかける。
『あの、宇野千秋さん…もう帰りましたか?』
『千秋?千秋ならまだいると思うよ』
『ありがとうございます』

あたしは宇野さんが出てくるまで待っていた。
あっ、宇野さんだ…!

『あ、あの…一度見かけた時から、好きでしたっ!
電車で痴漢から助けてくれて、嬉しかったです…。
宇野、千秋さんっ…、あたしと付き合って下さいッ』

『あ~~~。ゴメン。今…俺彼女いるから』
『そう…ですか』
『だけど、好きになってくれて、ありがとう』
『っ!い、いえ//し、失礼しますっ』

ちゃんと返事してもらえて、よかった。

あたしは…笑顔をみせ、その場を去った。


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