【完】短編集～幼馴染み～

「ごめんって…どういうこと？」
「えっ…？」

「…隆也はやっぱり…あたしのこと好きじゃないの…？好きじゃないから…言ってくれなかったの…！？」
“言う”って…
「なに、を――……？」
「…っ、“好き”って……！」
「っ！」

俺は…、一番大事な言葉すら…、
伝えていなかった…？

「り…「あたしは…、この関係が崩れるのも覚悟の上で伝えたよ――……！もし、隆也が…今のあたしとの関係を壊したくなくて、付き合ってたとしたら…」
……だとしたら？
「それは…全然、“優しさ”なんかじゃないんだよ――……？あたしは…同情みたいなので付き合ってほしかったわけじゃないの…！隆也の優しいとこが、好きだよ。けど、そんな優しさ、いらないよ…！」
「…っ！」
「あたしは、みんなと同じじゃ嫌なの。同じ優しさじゃ、嫌なの…！…あたしは…隆也にとっての“特別な存在”に…なりたかっただけなんだよ――……？」

「莉那、苦しめて…ごめんな―…。…俺は――…」

お前が、正直な気持ちを言ってくれたから…



俺も、それにこたえるよ――……。