【完】短編集~幼馴染み~
「王様だ~~れ!」
「あ、俺だ」
クラスで一番悪ふざけをする男子が王様だった。
「15番と36番がキスする!!」
バッカみたい。
そんなの、可哀想…。
ん?3…6番?
あたしはおそるおそる、自分の割りばしを見る。
「……っ!!」
あたしは思わずガタッと椅子から立ってしまった。
だって、そこにはまぎれもなく…
“36番”
そう、記されていたから。
「お~、伊藤か!」
「ち、ちがっ…」
そう否定しても、無意味で――……
「なに、36番って葵なの?」
健太がこちらに来てそう言った。
「だから、ちがっ…」
一応、もう一度ダメ押しで否定しようとしたら…
唇が、塞がれた。


一瞬、時が止まる――……。


………え?





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