きゅーぴっど




ひらり、と目の前に落ちてきたのは白いふわふわした羽根だった。


俺は思わず手のひらでその羽根を優しく包む

汚れの一つもない、純白の羽根に惚けていると


「どうだ?天使だって信じる気になったか?」


俺はハッとして声のする方を見ると

肩甲骨の辺りにこれまた純白の翼を生やした、自称天使がいた。



――……でもその翼は、
羽先が腰に届くかどうかの大きさで、なんて言うか……




「……小さいだろ?

天使っつっても俺は力が弱いからな
どうしても羽は小さくなっちまうんだよ」


ま、別にどうでもいいけど
と、自称天使はそう言って笑った
でも俺にはその顔が少し、寂しそうに見えた。


それに気づいた俺は思わずその翼に触れた。

小さい翼は、見た目通りふわふわしていて
少し、温かかった。




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