きゅーぴっど
斎藤正樹side
田中裕也が友人からの電話に出るために部屋を出た後
俺はさっき取り寄せた紙に目を通す
「………」
図書館で見た田中裕也の思い人は、とても綺麗な少女だった
今まで俺が見てきた人間の中でも、トップクラスの美貌だろう
きっとあの顔の良い田中裕也と並べば、美男美女のお似合いの二人になるに違いない。
紙に書いてある内容も殆どの項目が《良》で埋め尽くされている
ただ、《ある項目》について少し気になることがあった
俺はその項目の書かれている所を指先でなぞった
「“特徴”…… 、か……。」
そうポツリと言った言葉は、
誰の耳にも入らずに空気に溶けて消えた。