きゅーぴっど



翌日、図書館に行くと
彼女が居た


『よっしゃ!今日は居る!』


俺は心のなかでガッツポーズをすると
適当に本をとって、彼女から近すぎず、かといって遠すぎない絶妙な位置に座った。

そうして本を読むふりをして彼女を見つめていた。


「俺思ったんだけど、お前って既に軽くストーカーだよな」
「……うるせぇ」


ニシシ、と俺の隣で笑う天使に俺は小さく言い返した
昨日のような失態はしたくないからな。
そしてまた目線を彼女に戻そうとすると


「……じゃあ、お前ちょっと来い」
「は?……おい、引っ張るな!」


ぐい、と俺は天使にシャツを引っ張られて本のブースへ連れてかれた
勿論文句は小声だ。


「おい!こんなところ連れてきてどうするつもりだ!」

彼女を見ることができなくなって俺は天使に詰め寄ったが、


「そこで少し待ってろ、いいか、絶対ここから離れるなよ」


天使はそんな俺を無視し、念を押すように言ってきた
あまりに真剣だったため、俺はその雰囲気に流されて思わず頷いた

そして天使はそんな俺を見て満足げにどこかへ行ってしまった。




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