きゅーぴっど
「ったく、何なんだよ……」
俺は茶色に染めた頭をガリガリと掻く
どうも俺はあの天使の真剣な顔に弱い
女の子から告白されるときとか殆ど手紙だし
真剣な顔されても大抵俺はヘラヘラと流すことが多い
でもあの天使の真剣な顔には、つい流されてしまうような…そんな威圧感みたいなのがある
『それとも、絆されてきてるのかな…俺……』
俺はそれだったら笑えねぇ、と苦笑いを浮かべた
とりあえず暇だから、でかい棚にズラリと並べられている本を手にとる
本はたまに読むくらいなのだが、
知っている小説家の本があればそれを取り、パラパラとページを捲る
そうして天使の言う通りその場にいて
10分位たった頃だろうか、
カタリ、と直ぐ隣で本を出す音がして隣を見てみると
『うっ…わ……!?』
いつも見ていた彼女がいた
近い近い近いッ!!
俺は突然のことで軽くパニック状態に陥った
『てか、これってやっぱりあの天使のお陰なのか…!?』
やるな恋のキューピッド!と心のなかであの天使にお礼を言うと
怪しまれない程度に彼女を見た