きゅーぴっど



遠くからでも可愛かったけど、近くで見るともっと可愛いな…


と、いつもより近くにいる彼女にドキドキしていると

突然彼女の前にある本棚がガタンッと大きな音を立てて揺れたと思ったら
彼女に向かって傾き始めた

しかし不思議なことにそんな大きな音にも彼女は気づいてなく、手元の本を見ている


「!」


俺は思わず彼女の細い腕を掴み、ぐいっと自分の方へ引き寄せた

本棚は本を撒き散らしながら倒れ
ズシン、と大きな音を立てて地面が揺れた

俺も腕の中の彼女もしばらく唖然としたまま倒れた本棚を見ていた





その後、大きな音を聞いて駆けつけた館長さん達にめちゃくちゃ謝られて

とりあえず冷静さを取り戻した俺達二人は、図書館を出て近くの公園のベンチに座っていた




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