きゅーぴっど
田中裕也side
ついにこのときが来た。
俺は一番自信を持っている私服を着て、待ち合わせ場所に来ていた。
《――土曜日暇ですか?》
美鈴ちゃんは助けた後、助けてくれたお礼にと、お茶に誘って来た
つまりは、デートだ。
昨日はもうドキドキし過ぎて寝られなくて、
天使に「お前は遠足前日に興奮して寝られない小学生か」って馬鹿にされた。
俺はそんなことを考えながら一人悶々としていると、後ろから「裕也さん」と声をかけられた。
振り向くと、とんでもない美少女…もとい美鈴ちゃんがいた。
黒くて艶のある長い髪と透き通るような白い肌が
白と薄い水色を中心とした服によく映えていて、お人形みたいだった。
「遅れてすみません、待ちましたか?」
「いや、全然!俺も今来たばっかだし!」
と、いかにも待ち合わせの王道セリフを言って、
俺たちは近くのオシャレなカフェに向かった。
歩いていると、美鈴ちゃんを通行人がチラチラと盗み見ていて
少しむ、としたが「まあ、これだけ可愛ければそりゃ気になるよなぁ…」と思い
そんな美鈴ちゃんとお茶できるなんて、と俺は優越感に浸った