きゅーぴっど



「……なんだよ?」


いきなり黙った天使に、俺は訝しげに見ながら聞いた。


「………いや、何でもない」


と言いながらもまだ少し様子がおかしかったが
天使が言うならいいか、と思い「ふーん…」と言って
俺はトイレから出た。











「………なんだ?」
「さぁ…」


俺がトイレから出ると、店内が少しざわついていた。

俺と天使はそのまま自分の席に戻ろうとすると、
どうやら騒ぎの中心は俺のいた席らしい。


何事だ、と俺は急いで席に行くと
俺とはまた違う種類のイケメンが美鈴ちゃんに絡んでいた。


――……美鈴ちゃんの彼氏、か?


いかにも痴話喧嘩っぽい雰囲気に俺は少したじろいだが、
男が美鈴ちゃんを無理矢理連れていこうとした瞬間、

「待てよ」


俺は男の腕を掴んだ
男はピタリと動きを止め、俺を凝視した。




「………美鈴、こいつは?」


男は俺を見たまま、いかにも怒ってる、という声で美鈴ちゃんに聞いた。




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