きゅーぴっど
「………まぁ、ありがとな」
俺の恋の応援だけじゃなくて
その先のことも考えてくれて……
心の中で言った言葉は
言葉にしなくてもきっとこの鋭い天使は察してくれるだろうと思って、
敢えて言葉にしなかった。
「別に、お前の為じゃないって言ってるだろ」
そう言う天使はやっぱり赤面してて
俺は思わず吹き出してしまった。
しばらく笑った後
俺は笑うのをやめて、無言になった
天使もそれを察し、黙る。
「――…もう、行くんだろ?」
「ああ…」
失恋、という苦い幕引きだったけど
俺の初恋は終わった
これで天使にとって俺はもう用なしだ。
「本当にありがとな、楽しかったぜ」
「…ああ」
だってほら、もう天使は脚の先から消えていってる。
「―――俺、もっと恋するわ
今度は見た目だけじゃなくて、内面もちゃんと見てさ」
「そうだな、今のお前ならできるんじゃないか?」
ふっと天使は笑うが、
もう腰から下は消えている。