きゅーぴっど




……まあ、あながち間違ってはないけどな。


俺は先ほどの自分の発言を思いだし苦笑いして、
通路を挟んだ、斜め前の机にいる少女をチラリと見た。


そう、正しくは

《彼女》ではなく《好きな人》なのだ。




初めて少女を見たのは、つい最近だった。

その日俺は学校の課題をやるために、めったに行かない近所の図書館を訪れた


そこにいたのは、

綺麗な長い黒髪に白い肌、眼鏡をかけててもわかるほど長いまつ毛に縁取られた大きな眼
静かにページを捲る指先は白く細い。

いわゆる知的美人といえるだろう少女がいたのだ。


『……う、わ』


俺は言葉もでず

その少女を凝視したまま暫くその場に立ち尽くしていた。




つまりは、

一目惚れ

というやつだ。




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