For you
あれから1年も経つ今、あたしと蒼の関係は変わらない。
「結城、歩いてきただろ!」
「そうだけど?」
「走って来いよ!昼休み終わっちゃうだろ!」
そんなの、先に言ってよね…。
あたしと一緒にサッカーしている男子達は苦笑い。
「ほら、早く行くぞ!」
「あ……」
蒼があたしの腕を引っ張ってコートまで走り出した。
一気にドキドキが加速して、掴まれてる腕の部分から蒼の体温が伝わる。
どうしよう…
あたし、今…めちゃくちゃ顔赤い。
カーっと顔が赤くなるのが分かった。
それに気付いた男子達がニヤニヤし始める。
「ほら、やんぞ!って、なにお前らニヤニヤしてんだよ?気持ち悪いぞ?」
「蒼のせいだよ、ばーか」
「は?!って、結城顔赤くねぇ?どうした?」
蒼はそう言って顔を近づけてくる。
ヤバい―
そう思ったあたしは
「暑くてー!さっやろう!」
「おう?やるぞー!」