For you
「ちょっと蒼!他のクラスの子、なんだから応援しないでよ?」
「あ、あぁ…。そうだった、わりぃー!」
なんてひどい事をあたしは言うんだろう。
“応援しないで”
なんて、蒼を傷つけるだけなのに……
「蒼はリレーでしょ?2年連続選抜メンバーおめでとさんっ」
あたしは、最低だ。
自分のことしか考えられなくて君を傷 つ け る
「まぁ、俺足速いし?当たり前でしょ!」
偉そうに言う蒼にイラ。でも、笑ってる。
さっきとは全然違う笑顔だけど、笑ってる。
「蒼のくせに偉そうに!」
「なんだし、それ!」
2人で笑い合っていると、こっちを見ている視線を感じた。
それは、
「……え、」
萌亜ちゃん?
あたしと目が合うとすぐに逸らした。
けど、今
確実に萌亜ちゃんはあたし達……?
蒼のこと、見てた?
「ん?どうかしたかー?」
「い、いや!行こう!」
「おぉっ」
今のは、なに。