For you
「次、障害物競争の集合じゃね?」
「あ、本当だ。行ってくるね」
「おお!頑張ってこい」
「うんっ!」
拳と拳をコツンとぶつけ合って、
そんなことに幸せを感じながら集合場所に向かった。
集合場所はザワザワしていてうるさかった。
その中であたしは、
「萌亜ちゃん…」
萌亜ちゃんをみつけた。
さっきとは全然違う表情で、体調が悪そうだった。
思わず萌亜ちゃんの腕を掴んだ。
「え?」
いきなりのことでビックリした様子の萌亜ちゃんなんてお構いなしにあたしは話す。
「どうしたの?体調悪いの、大丈夫?」
「え、あ、あの、ゆ、結城ちゃん…」
アワアワと慌てる萌亜ちゃんを見て、どうしてそんなに慌てるんだろうとか、
あたしの名前知ってたんだ。
なんて呑気に考えてた。