For you
「いったー!しみる!」
「ちょっとは我慢しなさい!」
「してるって!先生、てかげーんーっ!」
あたしは今、救護テントで転んだときに出来た傷を消毒中。
結局あたしはあの後ノロノロと立ち上がり、ノロノロと走ってビリでゴールした。
「バカだな、お前」
「うっさい、蒼!あたしの転んだねみて爆笑してたでしょ?最低ー!」
「なんだよ、あんな派手に転んだ結城がいけないんだろ!」
「あんたらうるさいわよ!イチャイチャしてないでよ、暑苦しい」
「イチャイチャしてねーから、先生!」
先生、ないす。
蒼…そんなに拒否らなくたっていいじゃんか。
ばーか。
蒼なんて
「ねえ、先生。萌亜ちゃん大丈夫だったの?」
大嫌いになりたいのに、
「熱中症だから大丈夫よ。それに、新倉くんがついてくれてるからねぇ」
なれないんだ。
「へーそっか…」
今、キミの傷ついた顔にさせたのは確実にあたしだ。