偽りの恋人


この短時間ではどうせ最後まで読んでないだろう、と思いつつもぱらぱらと書類をめくると、最後のページに図の使い方にまでご丁寧に指摘されていて、そういえば課長は凄い人物だったのだ、と改めて気付かされて、ため息。

…機械みたいに完璧だな。




荒々しく席に座る私に、隣の女性社員が呼び出された理由を問う。

バッと赤ペンのチェックが入った書類を見せると、「お気の毒に」という一言だけ返ってきた。




…ていうか赤ペンでチェックとか、学校のテストか。


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