君と共に…


私の抵抗もむなしく、ヒョイっと私からスーパーの袋を取り上げると車に乗ってしまった。


仕方なく和馬の車に乗る。


外とは比べものにならないくらい、車内はエアコンがかかっていて涼しい。


私は鞄からハンカチを取り出して、じわりとかいた額の汗を拭う。


「こんなに買い込んで、潤帰ってくるのか?」


潤くんの名前を聞いて、一瞬ドキッとした。


『全然買い物行ってなくて、冷蔵庫がからっぽになっちゃっただけ。』

「ふーん。」


きっと私の顔は引きつっていると思う。


幸い、和馬は前を見て運転している。
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