神サマの憂鬱。
ガタッと立ち上がる神にララは首を傾げる。
「何処へ行くのです?」
「す、ぐに、戻る」
神は部屋を足音たてずに素早く出ていった。
(水、水、水! 辛い熱い辛い熱い!)
神は顔中から噴火するのではないかというほど赤くなっていた。
だが今の神にとっては水が最優先であり、顔が赤いことなどどうでもいいのだ。
水を求めて急ぐ神を陰から覗くように見ていたララは、微かに目を細める。
「……これで眠気は覚めましたでしょう? 父様」
ひとり静かに、ほくそ笑んだ。
【END】