セックス·フレンド【完結】
つけてあげると、隆也はあたしに後ろを向かせた。


彼は不器用な手つきで金具を止めると、あたしに正面を向かせた。


「美杉、すごく似合ってる」


「でも、あたし、何も用意してない…」


「いいんだよ。美杉には世話になってるし」


彼は笑ったが、それはつまり、持て余した性欲の世話係ということだろうか?


いけない。


近頃のあたしは卑屈になりすぎている。


隆也は多分何も考えずにそう言っただけだ。


浮気などできる人じゃないのに、こうしてあたしと関係を持っているのは、あたしに心を許している証拠だ。


現に隆也だって言ったじゃないか。


美杉は特別だって…。
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