セックス·フレンド【完結】
今年の2月、勤めていた美容院が倒産した。


美容院といっても、髪の毛だけでなく、脱毛からエステ、ネイル、睫毛のケアにいたるまで、幅広いジャンルを手がけてチェーン展開していたお店で、あたしは、そこで受付兼事務員をしていた。


それが、ある朝仕事へ行ったら、店はもぬけの殻だった。


美容師も、ネイリストも、エステティシャンも、スタイリストも、雇われ店長ですら、倒産の事実を知らされないまま、オーナー一家は夜逃げ同然で、この街を去った。


それで、ほんの繋ぎのつもりで、近所のコンビニで、アルバイトの面接を受けたら受かってしまった。


そうしたら、隆也と再会した。


別れてから、実に六年もの歳月がたっていた。
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