セックス·フレンド【完結】
食事は、フレンチのフルコースで、味はもちろん、目にも鮮やかで素晴らしかった。


もっと静粛な場だったら緊張したのだろうけど、子連れの夫婦や、年若いカップルもいて、想像していたより、ずっと和やかな雰囲気だった。


隆也はクリスマスも仕事があると言っていた。



ということは、竹内ミキは一人きりのクリスマスを過ごすのだろうか?



こんな所で、年下の男の子とディナーを楽しんでいることに、あたしは少しだけ申し訳なく思い、それ以上に優越感を覚えた。


いつも、あたしだけが寂しい思いをしているなんて割に合わない。



ただ…。



あたしは、フォークで料理をひっくり返している西村君に目をやる。



ただ、西村君の好き嫌いの多さには呆れてしまった。



彼は、運ばれた料理に使われた食材が何なのか確認できるまで口にしないのだ。



これじゃ、せっかくの美しい盛り付けも台無しだ。
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