セックス·フレンド【完結】
「みぃたん、この丸いの何?」


「お魚だよ。白身魚だって給仕さんも言ってたじゃない?」


「白身魚は白身魚でも何の魚?」


「知らないわよ!もう!いいじゃない。黙って食べなよ?ホテルが可笑しなもん出したりするわけないんだからさ!」


恐る恐るといった感じで西村は食べ物を口に運ぶ。


頷いたり首を傾げなりしながら食事する彼を、あたしは、母親みたいに叱った。


「じゃあ、このタレは?」



「オレンジソース!」


ああ。ロマンチックのかけらもないや。


「はぁ~。こういう食事って、口に合わない」


ナイフとフォークをテーブルに置き、西村君はミネラルウォーターを口にした。
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