セックス·フレンド【完結】
「ホテル、行こうか?」


思いがけない西村君の言葉に、あたしは、ゆっくりと顔をあげた。


「エッチなしでもいいよ。朝になるまで、ずっと一緒にいてあげる」



あたし以上に傷ついた顔で、西村君は無理に微笑んで見せた。


この子は…。


こぼれそうになった涙をこらえようと、ぐっと全身に力を入れた。


西村君は、気を張ったあたしの背中に手を置き、優しくエスコートしてくれた。


力が抜けていく。


支えてくれる人がいて、良かった。
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