セックス·フレンド【完結】
いつかあたしは、自分の意志の弱さに泣くことになるだろう。



隆也を許したことを、今日の決断を後悔する日がくるかもしれない。



こんな関係が長く続けば続くほど、知らなくていいことまで知るはめになり、そして傷つくのが目に見えているというのに。


でも、今は…。


それでも、彼に会いたい。


例え、そこに待ち受けているのが絶望的な結末であろうと、その途中にある、つかの間の幸福に触れていたいのだ。


あたしは、ばかだ。


傷つきたくない。傷つくのが怖いといいながら、わざわざ茨の道を選んで歩こうとしている。


もしかしたら、その先には、明るい未来が待っているかもしれない。


そんな僅かな期待をどうしても捨てきることができない。
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