セックス·フレンド【完結】
「何をお願いしてたの?」


帰り道、隆也に聞かれて、あたしは「内緒」と答えた。


隆也の心が欲しい。ずっと側にいたい。


なんて…。
どうして言えようか。


「気になるなぁ~」


あたしの気も知らず、隆也は、あたしのわき腹をつついたりしてからかう。



「危ないからやめてよ。そういう隆也こそ、なんてお願いしたの?」


彼は、にんまり笑い


「内緒!」



と答えた。


そりゃそうだろう。自分は秘密にしておきながら、相手のお願いだけを聞き出そうとするなんて無理な話しだ。



隆也は、すっかりむくれたあたしを見て笑った。


「仕方ない教えてやるか。俺のお願い」


躊躇したのもつかの間、彼はあっさりそう言って、あたしの頭にぽんと手を置いた。
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