セックス·フレンド【完結】
「年齢のせいにはしたくないけど、どんどんいい選手も育ってきてるし、全国どころか地区大会でも勝てない自分が情けなくてさ。それで、まあ、心が荒れてたんだわ。俺から剣道を取ったら何が残るんだろうって…」



彼のこんな一面を見るのは、初めてだったので、あたしは何と答えていいのかわからなかった。


そして、ふと考えた。


こんな時、竹内ミキならどんな言葉で慰めてやるのだろう?


同じスポーツ選手として、行き詰まったり、苦悩したこともあるはずだから、あたしより、ずっと的確なアドバイスをするのだろう。


あたしがどんな取り繕った言葉をかけるより、説得力があるだろう。


そんなことが、いちいち悔しかった。
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