セックス·フレンド【完結】
「こんなこと言える立場じゃないけど、美杉が男といるの見て、俺、結構ショックだった」


力なく、隆也が笑う。


あたしは、それ以上にショックだった。竹内ミキといる隆也を見て。ペアリングをする２人を目の当たりにして…。


そう言えない代わりに、あたしは大きなため息をついた。


「俺、美杉に彼氏ができたら、きちんと諦めるから。その時は、そう言ってな」


隆也は寂しそうな笑顔をこちらに向けた。


なんて、勝手な言い分だろう。


自分には竹内ミキという恋人がいて、あたしというセックスフレンドもいる。


それなのに、あたしに恋人ができたら、この関係を終わらすだなんて…。


「わかった」


そう答えたあたしに、隆也はまた、寂しそうに笑った。


そんな目をするなら、なぜ、俺だけを見てくれとは、言ってはくれないのだろう。


俺のものになれと言ってはくれないのだろう。


あたしには理解できなかった。
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