セックス·フレンド【完結】
部屋でパソコンを開いていると携帯が鳴った。


着信は、詩織からだった。


あたしは、少しためらってから通話ボタンを押した。


「もっしもぉし」


しょっぱなから高いテンションの詩織に、緊張感が解けていく。


「詩織、あけおめ~」


つい、いつも以上に明るく振る舞ったのは、気持ちのどこかにやましさが隠れていたからだ。


「あけおめ~じゃないよ!もう、今年に入って何日過ぎたと思ってるの?」



そうとも知らず、詩織の声もますます明るくなる。


「ごめん、ごめん。どうしたの?」


「別に用事はないんだけど、なんとなくどうしてるかなと思って。ほら、年末恒例のクラス会にも美杉は参加しなかったし」


「ごめんね。バイト休めなくて。相変わらずつまらない毎日を送ってます」


そこで詩織は、ゲラゲラと笑った。
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