セックス·フレンド【完結】
あたしたちはとりとめのない会話を20分ほどした。


誰々が結婚しただの、妊娠しただの、離婚しただの…。


あたしと違って、クラス会には積極的に参加し、かつての級友たちとまめに連絡を取り合っている詩織は、そういった話題にたけていた。


あたしは、それを懐かしい気持ちで聞いていた。


同時に、もうそうゆう年齢にさしかかっていることを痛恨した。



「でね、美杉…。あ、ちょっと待って!こら、カナ、ミホ、静かにしてよ!ママ電話中なんだから」



電話の向こうで、詩織の2人の娘たちが言い争う声が聞こえる。


生まれたばかりの赤ん坊の泣き声も。


「ちょっと、パパ!カナミホを叱ってよ。あ、ごめん、ごめん。もうゆっくり電話もできないんだもの、イヤになっちゃう。早くに結婚するのも良し悪しね。自由になりたいわぁ」



赤ん坊を抱き上げたのか、電話口からは、赤ん坊独特の愛らしい笑い声が聞こえてくる。
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