セックス·フレンド【完結】
そんなことになっているのを知ったのは、隆也からの電話がきっかけだった。


そう。彼と最後に連絡をとった、わずか二日前のこと。


夜勤明けの彼は、車の中から電話をよこした。


「俺たち、本当にだめかもしれない」


隆也の第一声は、それだった。


「彼女、最近仕事が面白くないらしく、いつもピリピリしてるんだ。おかしな手紙が届くって。何でも、彼女が客と不倫してるとかどうとか…。でさ、俺、つい言っちゃったんだよね。本当に心当たりないのって…。そこからは大喧嘩。なんだか、疲れたよ。」


「何言ってるの?隆也が彼女を信じてあげなくてどうするのよ。しっかりしなさいよ」



あたしは、自分の撒いた種が、こんな風に息吹いてくれたことに驚きながら、隆也と竹内ミキの両方を庇護するような発言を繰り返した。


あたしは、ずるい。
卑怯だ。


でも、このチャンスを見過ごすなんて、できなかった。
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