セックス·フレンド【完結】
約束した9時より30分も遅れて出てきたあたしを、隆也は笑顔で待ち受けていた。


「お待たせ」


「お疲れさん」


隆也は、まだ長いタバコを灰皿に押し付ける。


車のドアを開けた途端、タバコの煙りでくすんだ空気が外にあふれてくる。


普通なら不快に感じるそれすら、不思議なもので嬉しい。


あたしを待つ合間に過ごした隆也の時間を物語っているような気がして。
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