セックス·フレンド【完結】
「腹減った。とにかく何か食べに行こう」


あたしが返事をする前に、彼は車を走らせた。


あたしと会う時、隆也は、こうして夕食を食べずに待っていてくれる。


以前、先に食べていてもいいと言ったことがある。


でも彼は、


「それじゃ、美杉が1人で食べるはめになるだろ?男と女がレストランに入って、女だけがバクバク食べてるなんて、なんだかおかしいよ。美杉が可哀想じゃん?それに、二人で食べたほうが美味しいし」


と、譲らなかった。


だから、あたしは、隆也の優しさに甘えることにした。


隆也が、あたしのリズムに合わせてくれることに、いちいち感激を覚え、小さな幸せが増えていく。


2人の時間。
2人の思い出。
2人のルール。


何もかもが大切で、愛おしい。
< 193 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop